食品添加物は、食べ物の色をよくしたり、酸化や腐敗を防いで保存性をよくしたりなどの目的で多くの食品に使われています。
でも、添加物は体によくないって、よく聞きますよね。
妊活中は出来るだけ添加物を避けるよう意識している方も多いと思います。
かといって、完全に排除するのも難しい……。
妊活のあとは妊娠と続きますので、妊活中に限らずこれからの健康のために、添加物との上手な付き合い方を考えてみましょう。
食品添加物って結局なにがいけないの?
食品添加物の種類はたくさんありますが、1年以上もかかる厳しい安全性試験をクリアして、国に認められたものだけが使用出来ます。
ただ、この安全性の評価は動物実験によるもので、何年にもわたって人が摂取し続け場合に当てはめて考えていいのかというのは疑問が残りますよね。
単品の添加物の安全性はしっかり検査されていても、複数の添加物を組み合わせた場合の研究はまだまだ不十分だといわれています。
では保存料などの添加物が普及する前の食事は安全だったかといえば、現代に比べて食中毒死の報告件数が数百倍だったという統計データもあるんです。
添加物=悪 という訳ではなさそうですね。
野菜や肉などの食材は、添加物が入っていなくて安全なように思いますが、農薬を使った野菜や、飼料に添加物が入った肉や魚は100%安全とは言い切れません。
無添加は安心ってウソ?
「無添加」と書いてあると体に良いというイメージがありますよね。でも実は、無添加の表示については法的に定められてはいないんです。
味噌など業界によっては独自に基準が定められている場合もありますが、どういう理由で「無添加」と表示するかは、メーカーの判断によるものになるんです。
食品を買うときには「無添加だから安心!」と安易に思わずに、何が無添加なのかを確かめて、品質や味など総合的に判断する必要がありますね。
天然なら安心?
食品添加物は、天然成分と化学合成の2種類があります。自然の原料でも添加物というんですね。
化学的なものよりも天然の方が安心、と思うかもしれませんが、そうとも言い切れない理由があります。
天然添加物は、昔から食べてきたものなので安全だろう、という理由であまり研究がされていないものが多いと言われています。
過去には、昔から使われていた天然着色料が体に良くないとして使用禁止になった例もあります。
豆腐の材料の「にがり」も食品添加物にあたります。にがりは豆乳を固めるための凝固剤ですが、体に悪いというイメージはないですよね。
他にも、こんにゃくを固める「消石灰(水酸化カルシウム)」や、中華めんの「かんすい」も食品添加物です。
添加物というとダメなもの、というイメージがありますが、実はずっと昔から私たちの食生活を支えるものとして活用されてきたんですね。
1番大切なのは栄養バランス!
インスタントラーメンやコンビニ弁当は、添加物が多い食品としてよく例にあげられますが、栄養表示を見ると、野菜などの食材が少ないことが分かります。
これでは添加物が入ってなかったとしても、妊活にいいとは言えませんね。
添加物を気にしすぎて妊活に必要な栄養が摂れないとなったら本末転倒です。まずは栄養バランスのとれた食事を意識して、そのなかで無添加にできるものを考えた方がストレスがないかもしれませんね。
ストイックな栄養管理はストレスの元
妊活のための栄養バランスを考えながら添加物を減らすのは理想的ですが、ときには甘いお菓子やジャンクフードも食べたくなります。
ストイックすぎる栄養管理がストレスとなって、ホルモンバランスを崩してしまっては元も子もありません。妊活のためにやっている事が、かえって妊活を妨げてしまうくらいなら、好きなものを食べた方がましです。
食品に使われる添加物は極微量ですので、たまにはジャンクフードや甘いお菓子などでガス抜きをすることも妊活を楽に続ける秘訣だと思います。
まとめ
妊活中は食品添加物をできるだけ摂らないことが理想ですが、現代社会ではそれはとても難しいことです。
ある調査によると、食品を扱う店舗の商品で、約3分の2が着色料を使用していたそうです。添加物を含む全てを調べたら、ほとんどの食品が当てはまってしまいます。
健康的な食事に大切なのは、同じものばかりを摂り過ぎないこと。色々なものを満遍なく食べることで、栄養だけでなく添加物の偏りも防いでリスクを分散させることにも繋がります。
世間のイメージにとらわれずに、安心の基準をどこに置くかを考えて、バランスよくストレスのない食事をすることが、健康で妊娠しやすい体づくりの近道です。
参考書籍
- 化学同人「食品添加物はなぜ嫌われるのか」
国立医薬品食品衛生研究所安全情報部長 畝山智香子 - あさ出版「食品添加物のほんとうの話」
相模女子大学栄養科学部管理栄養学科教授 三輪操