ファストフードはなぜダメなの?

コラム

ファストフード(fastfood)は、ハンバーガーやピザなど短時間でリーズナブルに食べられる外食やテイクアウトの食事を差します。

店舗も多くて手軽とあって、普段から食べている、と言う方もいるのではないでしょうか。

でも、ファストフードは体によくない、ってよく言いますね。

食材は一般的なものが使われていますし、大手チェーンでは国際基準の衛生管理がされていて、自宅の食事よりも衛生的かもしれません。

それなのに、なぜよくないと言われているのでしょう?

ファストフードがダメな理由とは?

栄養バランス

  • ハンバーガー(バンズ・ビーフパティ・オニオン・ピクルス)
  • フライドポテト
  • 炭酸ジュース

よく見かけるファストフードのセットの一例です。

野菜や果物がほぼないことが分かりますね。
ハンバーガーにオニオンとピクルスが入ってはいますが、極少量で十分とはとても言えません。

そのため、高カロリーのわりにビタミンとミネラルがとても少ないのです。

トランス脂肪酸

トランス脂肪酸は、マーガリンなどの油脂加工品や、加熱した植物油に含まれ、動脈硬化などの原因とされています。

ファストフードではフライドポテトの揚げ油などに多く含まれます。

トランス脂肪酸の摂りすぎは排卵や受精に影響するとされていて、妊活中に避けたい成分の1つです。

ファストフードが妊娠に影響する?

ファストフードの妊娠への影響について、アデレード大学(オーストラリア)の研究チームの調査論文が2018年に発表されました。

論文によると、妊活を始めた時点で毎週4回以上ファストフードを食べていた人は、食べていない人よりも妊娠にいたるまで1周期以上長い期間がかかり、摂取量が多いほど妊娠に至るまでの時間が長くなる傾向があったそうです。

同時に、果物の摂取量に対する調査もされていて、果物の摂取が月に4回以下だった人は、普段から果物を摂っている人よりも妊娠までに時間がかかったという結果がでました。

ファストフードが多く、果物を食べる習慣があまりないとなると、ビタミンが不足していると考えられます。

論文ではパートナーの男性の調査まではされていないので、女性側の栄養状態だけが原因とは言えませんが、日頃からビタミンを意識して摂ることは重要そうですね。

大切なのは栄養バランス!

ファストフードは添加物やトランス脂肪酸など、いくつか問題をあげられることが多いですが、一番の問題点は栄養バランスです。

妊活中は出来ればファストフードを食べないのが理想ですが、時にはジャンクフードも食べたくなります。

ストイックな制限がストレスになってホルモンバランスを崩すよりは、上手な付き合い方を考えた方が現実的です。

栄養のバランスは1日の中で見ることが大切。

ファストフードを食べた日は、他の食事で野菜や果物をしっかり摂って調節すればOKです。

たまには好きなものを食べてでガス抜きをすることも、妊活を楽に続ける秘訣です。

まとめ

ファストフードを摂らない方がいいとはいっても、手軽な食事として頼ることもありますよね。

セットの飲み物を野菜ジュースに変更して、サラダを付けるだけでも、ある程度の栄養を補うことができます。

普段の食事の栄養が偏っていたら、ファストフードを食べなかったとしても、やはり妊活にいいとは言えません。

ファストフードを完全に絶つことよりも、バランスのとれた食事を心がけることが、健康にも妊娠にも大切です。

参考文献

  • 青春出版社「卵子の老化に負けない妊娠体質に変わる栄養セラピー」
    古賀文敏ウィメンズクリニック医院長 古賀文敏
    栄養カウンセラー 定真理子
  • Human Reproduction, Volume 33, Issue 6, June 2018, Pages 1063–1070
    「Pre-pregnancy fast food and fruit intake is associated with time to pregnancy」
    https://academic.oup.com/humrep/article/33/6/1063/4989162