菜花(なばな)で妊娠力アップ!妊活中の栄養・レシピ解説

菜花 野菜・いも類・果物

鮮やかな緑色の菜花が店頭に並び始めると、春の訪れを感じます。
独特のほろ苦さと香りが特徴的な菜花はビタミン、ミネラルを豊富に含み、妊活におすすめの食材です。
今回は菜花に含まれる栄養素の解説をはじめ、食べる時の注意点、相性の良い食材や菜花を使ったレシピなどをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

菜花に含まれる栄養素

緑黄色野菜の一つである菜花にはビタミンA(β-カロテン)をはじめ、多くのビタミン、ミネラルが含まれています。
特にビタミンC含有量が多く、野菜の中でもトップクラスを誇ります。
ここでは菜花に含まれる栄養素がどのように妊活に有効なのか、その働きを解説します。

強い抗酸化作用を持つビタミンCとビタミンA

ビタミンCは強い抗酸化作用を持っています。
細胞は活性酸素によって酸化することで、老化や病気が引き起こされます。
ビタミンCは老化の原因である活性酸素から細胞を守る働きがあるので、卵子の老化も予防してくれます。

ビタミンAは子宮環境を整えてくれ、妊娠初期の胎児の成長にも重要な働きをするほか、強い抗酸化作用を持っています。
強い抗酸化作用を持つ、ビタミンCとビタミンAは妊活中の強い味方であり、赤ちゃんが欲しいと思ったら、積極的に摂っていただきたい栄養素です。

妊活女性に必須な葉酸

葉酸はお腹の赤ちゃんの脳や神経を作るのに不可欠な栄養素で、厚生労働省も妊娠を希望する女性に積極的な摂取を勧めています。
なぜ、妊娠前から葉酸を積極的に摂る必要があるのでしょうか。

それは、赤ちゃんの脳は妊娠6週目(おおよそ妊娠1ヶ月半)には出来上がるからです。
つまり、妊娠に気がついた頃には赤ちゃんの脳が出来上がっているので、妊娠前の妊活中から積極的に葉酸を摂取する必要があるのです。
葉酸が不足すると赤ちゃんの脳の発育に悪影響を及ぼすことがあります。
また、葉酸にはビタミンB12と協力して赤血球をつくり、貧血を予防する働きもあります。

卵子や精子の質を向上させるビタミンB2

ビタミンB2は脂質をエネルギーに変えるのに欠かせない栄養素です。
また、ビタミンB2には活性酸素によって脂質が酸化してできる「過酸化脂質」を分解する働きもあります。
過酸化脂質は細胞を壊し、細胞の老化を進行させてしまうので、卵子や精子の質も低下してしまいます。
ビタミンB2の過酸化脂質を分解する働きは、卵子や精子の質を向上させ、妊娠しやすい体づくりをサポートしてくれます。

赤ちゃんの骨や歯を強くするカルシウム

カルシウムは骨や歯をつくるのに不可欠な栄養素で、筋肉を動かしたり、精神の安定にも働きます。
カルシウムは赤ちゃんの発育には欠かせない栄養素で、お母さんのおなかの中にいる時は胎盤を通してカルシウムをもらい、歯や骨が作られます。

また、出産後も母乳を通してカルシウムをもらいます。
ですから、赤ちゃんに十分なカルシウムをあげられるように、妊娠の準備期である妊活中から十分なカルシウムを摂っておく必要があります。
カルシウムが豊富な野菜として小松菜が有名ですが、菜花も小松菜と同レベルのカルシウム含有量を誇ります。

つぼみが開き切る前に食べましょう

独特のほろ苦さと香りが特徴的な菜花ですが、花が咲き始めるとえぐみが強くなり、味が落ちてしまいます。
購入の際は、つぼみが開いていないものを選び、つぼみが開き切る前に食べましょう。

一緒に食べたい相性の良い食材

菜花と一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。

鉄やビタミンB12が豊富なあさりと一緒に食べて貧血を予防しよう

貧血には、貧血全体の90%を占める鉄欠乏性貧血と、葉酸とビタミンB12の不足により起こる悪性貧血の2種類があります。
したがって、貧血の予防には、鉄、葉酸、ビタミンB12を積極的に摂ることが効果的です。
鉄や葉酸、ビタミンB12には、赤血球をつくり、貧血を予防する働きがあり、その中でも、葉酸とビタミンB12は常にセットで働きます。
葉酸を豊富に含む菜花と鉄やビタミンB12が豊富なあさりを一緒に食べることで、貧血の予防・改善効果が期待できます。

菜花のおすすめレシピ

菜花を使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。ぜひお試し下さい。

菜花とあさりの白ワイン蒸し

菜花と相性の良い、あさりを使ったレシピです。
煮汁には菜花とあさりの栄養と旨味がたっぷり詰まっているので、煮汁ごと食べて、無駄なく栄養を摂りましょう。

◇材料(2人分)

  • 菜花…100g
  • あさり(殻付き)…200g
  • オリーブ油…大さじ1
  • にんにくスライス…1片分
  • 白ワイン…大さじ2
  • 塩・こしょう…少々

◇作り方

  1. あさりは砂抜きしておく。
  2. 菜花はしっかりと洗い、適当な長さに切り、つぼみ部分と茎部分に分ける。
  3. フライパンにオリーブ油とにんにくスライスを入れて弱火にかけ、にんにくの匂いが立ったら、塩抜きをしたあさりを入れて手早く混ぜる。
  4. ③に白ワインを加えて蓋をし、あさりの口が開くまで蒸し焼きにする。
  5. あさりの口が開いたら、④に菜花の茎部分を入れて、再び蓋をする(1分程度)。
  6. ⑤の蓋をはずし、菜の花のつぼみ部分を加えて軽く炒め、塩・こしょうで味を整えて、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 114kcal
  • たんぱく質 5.5g
  • ビタミンC 66mg
  • ビタミンA(β-カロテン)1122ug
  • 葉酸 180ug
  • ビタミンB2 0.22mg
  • カルシウム 114mg

菜花とあさりの白ワイン蒸し

菜花の粒マスタード和え

菜花独特のほろ苦さと粒マスタードの酸味が効いた辛さが相性抜群の一品です。
菜花に豊富なビタミンCは水溶性なので茹でる時に水に溶け出す性質があります。
短時間で茹でてビタミンCの損失を最小限にしましょう。

◇材料(2人分)

  • 菜花…100g
  • カニかま…20g
  • 粒マスタード…小さじ1
  • 白だし…大さじ1

◇作り方

  1. 菜花はしっかりと洗い、適当な長さに切り、つぼみ部分と茎部分に分ける。
  2. 熱湯に塩を入れ、菜花を茹でる。茎部分を先に入れて茹で、時間差でつぼみ部分を入れて茹でる。茹で時間は茎部分を入れてから、1分半程度。
  3. ②を冷水に取って冷まし、水気を絞る。
  4. ボールに粒マスタードと白だしを入れて混ぜておき、③の菜花とカニかまを加えて、和える。
  5. ④を冷蔵庫で冷やし、味を馴染ませたら、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー  32kcal
  • たんぱく質 3.6g
  • ビタミンC 65mg
  • ビタミンA(β-カロテン) 1101ug
  • 葉酸 171ug
  • ビタミンB2 0.15mg
  • カルシウム 96mg

菜花の粒マスタード和え

菜花の保存方法

湿らせた新聞紙で包み、保存袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で立てて保存し、2~3日で使い切りましょう。
冷凍保存の場合は硬めに茹でて、水気を取り、使いやすい長さに切ってからラップに包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。
1ヶ月以内に食べ切りましょう。

菜花で妊娠しやすい体づくりを

菜花には、強い抗酸化作用を持つビタミンCやビタミンAをはじめ、妊活女性に必須な葉酸や卵子や精子の質を向上させるビタミンB2、赤ちゃんの骨や歯を強くするカルシウムなど、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素が豊富に含まれています。
相性の良い食材と組み合わせることで、食材の持つ栄養効果も高まります。
妊活中のおすすめ食材である菜花を日々の食事に取り入れて、妊娠しやすい体づくりをしましょう。

執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)