赤・黄・オレンジなどの色が鮮やかなパプリカは、スーパーの野菜売り場で一際目を引く存在です。
パプリカはピーマンと同じピーマン類に属します。
ピーマンに比べて大きく、肉厚で甘みがあるのが特徴です。
色鮮やかなパプリカには妊活に必要な栄養素や成分がギュッと詰まっており、妊娠力アップにおすすめの食材です。
今回はパプリカに含まれる栄養素や成分の解説をはじめ、相性の良い食材、パプリカを使ったレシピや保存方法などをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。
パプリカに含まれる栄養素
パプリカはビタミン、ミネラルなどの栄養素を豊富に含みます。
その中でもビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、カリウムの含有量が多く、妊活中に重要な働きをします。
また、パプリカの鮮やかな色は、カロテノイド系色素成分によるもので、強い抗酸化作用を持っています。
ここではパプリカに含まれる栄養素や成分について解説します。
活性酸素と戦うビタミンA・C・E(エース)
ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEの3つのビタミンはいずれも抗酸化作用を持つビタミンで、3つを合わせてビタミンACE(エース)と呼びます。
パプリカはこのビタミンACEが揃っている野菜です。
ピーマンもビタミンが豊富な野菜ですが、パプリカにはさらに多くのビタミンが含まれています。
具体的には、パプリカ(赤)のビタミンA含有量はピーマンの3倍、ビタミンCは2倍、ビタミンEは5倍となっています。
ビタミンAには皮膚や粘膜を健康に保つ作用があり、子宮内膜を作り、子宮環境を整えてくれる働きがあります。
また、ビタミンCとビタミンEの強い抗酸化作用は体内の酸化物を取り除き、卵子の老化を予防してくれます。
ビタミンAにはビタミンCの酸化を防ぐ働きがあり、ビタミンCにはビタミンEの抗酸化作用を高める働きがあります。
さらにビタミンEにはビタミンAの効能を高める働きがある、というようにビタミンACEは一緒に摂ることによって相乗効果で力を発揮します。
卵子の老化予防に効果的なカロテノイド系色素成分
パプリカの鮮やかな色はカロテノイド系色素成分によるものです。
カロテノイド系色素成分には、トマトに代表される赤色、人参に代表されるオレンジ色、とうもろこしに代表される黄色などの色があります。
カロテノイド系色素成分で色付いた野菜や果物は、数種のカロテノイド系色素成分が組み合わさることで、その色が付いているのです。
パプリカに含まれるカロテノイド系色素成分は、カプサンチンやリコピン、βクリプトキサンチン、ゼアキサンチンなどです。
その中で赤いパプリカにはカプサンチン、黄色やオレンジのパプリカにはゼアキサンチンが多く含まれます。
これらのカロテノイド系色素成分はファイトケミカルと呼ばれ、近年注目されています。
ファイトケミカルとは、植物性食品が持っている体に良い化学成分の総称で、強い抗酸化作用を持っているので、卵子の老化予防にも効果的です。
浮腫みを予防するカリウム
パプリカに含まれるカリウムにはナトリウムと作用し合い、体内の水分バランスを保つ働きがあります。
カリウム不足やナトリウムの過剰摂取が続くと、カリウムの働きが追いつかなくなり、浮腫みの原因となります。
現代人は加工食品を食べる機会や外食が増えて、ナトリウムを摂り過ぎる傾向にあります。
また、妊活中の浮腫みは子宮や卵巣の機能低下につながるので、ナトリウムの排出を促してくれるカリウムは意識して摂りたい栄養素です。
一緒に食べたい相性の良い食材
パプリカと一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。
ビタミンCが豊富なほうれん草と合わせて食べよう
パプリカとほうれん草の共通点は、強い抗酸化力を持つ栄養素が豊富に含まれているということです。
ビタミンAやビタミンCが豊富なほうれん草とビタミンACEが揃っているパプリカの組み合わせは、Wの抗酸化パワーとなって、細胞の老化を防ぐので、卵子の老化予防に効果的です。
また、ほうれん草に豊富な鉄の吸収をビタミンCが助けてくれるので、妊活中にしっかり摂りたい鉄を効率的に摂取出来ます。
パプリカのおすすめレシピ
パプリカを使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。ぜひお試し下さい。
ほうれん草とパプリカの牛肉バター醤油炒め
パプリカと相性の良いほうれん草を使った抗酸化力が高まるレシピです。
パプリカとほうれん草に豊富なビタミンCには、たんぱく質からコラーゲンを合成する働きがあります。
たんぱく質が豊富な牛肉と合わせて食べれば、コラーゲンの合成が進み、肌や髪にハリや潤いが生まれるという嬉しい効果も期待出来ます。
◇材料(2人分)
- ほうれん草…1/2束
- パプリカ…1個
- 牛肉小間切れ…100g
- バター…大さじ1
- 塩、こしょう…少々
- 醤油…小さじ1
◇作り方
- ほうれん草は軸を除き、4㎝程度の長さに切る。パプリカは縦半分に切り、種とワタを除き、食べやすい大きさに切る。
- 牛肉は食べやすい大きさに切り、塩、こしょう、酒(分量外)を揉み込む。
- フライパンにバターを熱し、②の牛肉を炒め、牛肉の色が変わってきたら、①を加えてさらに炒める。
- ほうれん草がしんなりしてきたら、塩、こしょうを振り、最後に醤油を回し入れ、軽く炒めて、完成。
◇栄養成分(1人分)
- カロリー…248kcal
- たんぱく質…10.6g
- ビタミンA(レチノール活性当量)…339ugRAE
- ビタミンC…112 ㎎
- ビタミンE…4.0㎎
- カリウム…771㎎
パプリカのマスタードマリネ
パプリカに含まれるカリウムやビタミンCは、水溶性なので、それらの栄養効果を最大限に期待するのであれば、加熱は短時間で済ませるか、生で食べるのがベストです。
また、パプリカに含まれるビタミンAやビタミンEは脂溶性なので、オリーブ油などの油と一緒に摂ることで、吸収率が高まります。
◇材料(2人分)
- パプリカ…1個分
- マリネ液
- 酢…大さじ1
- オリーブ油…大さじ1/2
- はちみつ…小さじ1
- 粒マスタード…小さじ1
◇作り方
- パプリカは縦半分に切り、種とワタを除き、太目に切る。
- マリネ液の材料を混ぜておく。
- ①のパプリカを耐熱容器に入れ、ラップをして、レンジで1分加熱する。
- ③をビニール袋に入れ、②のマリネ液を加えて揉み込み、粗熱が取れたら、ビニール袋の口をしばり、冷蔵庫で冷やし、味が馴染んだら、完成。
◇栄養成分(1人分)
- カロリー 64kcal
- たんぱく質 0.8g
- ビタミンA(レチノール活性当量) 32ugRAE
- ビタミンC 96㎎
- ビタミンE 2.3㎎
- カリウム 131㎎
パプリカの保存方法
冷蔵保存
水気は痛みの原因となるため、しっかり拭き取り、保存袋に入れて保存します。(保存期間目安1週間)
冷凍保存
中の種とワタを取り除き、使いやすい大きさに切って、ラップに包み、保存袋に入れて保存します。
調理する際は、解凍せずに凍ったまま使用しましょう。(保存期間目安1ヶ月)
パプリカで妊娠しやすい体づくりを
パプリカには、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい、強い抗酸化作用を持つビタミンACE(エース)やカロテノイド系色素成分などが豊富に含まれています。また、浮腫みを予防してくれるカリウムも豊富です。
相性の良い食材と組み合わせることでパプリカの栄養効果も高まります。
妊活中のおすすめ食材であるパプリカを日々の食事に取り入れて、妊娠しやすい体づくりをしましょう。
執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)