卵で妊娠力アップ!妊活中の栄養・レシピ解説

卵 妊活に良い食材

妊活をしていく上で、バランスの良い食生活はとても大切です。
はどんな調理法でも美味しく、様々な食べ方を楽しむことができる食材です。
また、卵は「物価の優等生」とも言われ、値段も安定しています。

そんな万能食材の卵ですが、栄養価も非常に高く、妊活に効果的な栄養素が多く含まれており、妊娠したい方におすすめの食材です。
今回は卵に含まれる栄養素の解説をはじめ、相性の良い食材や卵を使ったレシピなどをご紹介します。ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

卵に含まれる栄養素

卵はビタミンCと食物繊維を除く、全ての栄養素が含まれている、とても栄養価が高い食材です。
卵にはヒヨコが生まれてくる為に必要な栄養素がほぼ揃っており「完全栄養食品」と言われます。

ここでは卵に多く含まれる栄養素がどのように妊活に有効なのか、その働きを解説します。

妊活に必須な良質なたんぱく質

たんぱく質は健康な体の土台となる栄養素です。
私たちの体は皮膚、髪の毛、骨、筋肉、血、内臓、ホルモンにいたるまで、たんぱく質を材料にして作られています。

卵はたんぱく質の最も理想的な形である、アミノ酸スコア100という値を持っています。

アミノ酸スコアとは食材に含まれるたんぱく質の必須アミノ酸のバランスを点数で評価したものです。
このアミノ酸スコアが高いほど、必須アミノ酸のバランスが良く、たんぱく質として有効ということになります。

その為、アミノ酸スコア100の卵は良質なたんぱく質と言えます。
卵の良質なたんぱく質は健康な母体づくりに不可欠であり、妊活の基本となります。

性ホルモンの材料となるコレステロール

コレステロールはたんぱく質と脂質が結合したもので、性ホルモンの材料となります。
体に良くないイメージがあるコレステロールですが、近年、コレステロールについての見解が大きく変わり、健康な人は食材からのコレステロールの制限をする必要はなくなりました。

そもそも、食事から摂るコレステロールより、体内で合成されるコレステロールの方がはるかに多いので、コレステロールを過度に避ける必要はないのです。
むしろ、コレステロールは性ホルモンの材料になるので、妊活中は積極的に摂るべき栄養素です。

前述したように、卵にはコレステロールの他に良質なたんぱく質が含まれています。
コレステロールはたんぱく質と一緒に摂ることで体内を移動することができ、有効に働きますので、たんぱく質とコレステロールの両方が摂れる卵は妊活中におすすめの食材です。

現代人に不足しがちな鉄と亜鉛が豊富

偏った食生活によって、現代人は鉄と亜鉛が不足していると言われます。
特に鉄に関しては月経のある年代のほとんどの女性が不足している栄養素で、多くの女性が「潜在的な鉄欠乏」の状態にあります。

鉄には動物性食品由来のヘム鉄と植物性食品由来の非ヘム鉄の2種類があり、卵にはヘム鉄が含まれています。
この2種類の鉄の大きな違いは吸収率です。
ヘム鉄の方が非ヘム鉄よりも圧倒的に吸収率が良く、「慢性的な鉄欠乏」の改善にはヘム鉄をおすすめします。

一方、亜鉛は別名「セックスミネラル」と呼ばれるほど妊活において欠かせない栄養素です。
特に男性の前立腺や精子には亜鉛が多く存在しており、精子形成に不可欠で、亜鉛の不足は生殖機能の低下や性欲の低下をもたらします。

卵には現代人に不足しがちな鉄と亜鉛がバランス良く含まれています。

体内のあらゆる働きを正常に保つVA、VD、VB群

ビタミンには他の栄養素の代謝や吸収を高めて、体内のあらゆる働きを正常に保つ役割があります。

妊活に関わる事として、ビタミンAは子宮環境を整えてくれます。
ビタミンDは子宮内膜の環境を整え、着床に必要であることが分かってきました。
ビタミンB群にはビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチンの8種類があります。

これらのビタミンは体内でそれぞれ重要な働きをしますが、お互いに影響して働きを高める為、ビタミンB群と呼ばれます。
ビタミンB群の一つである葉酸は胎児の脳や神経を作るのに不可欠な栄養素で、厚生労働省も妊娠を希望する女性に積極的な摂取を勧めています。

前述したように、ビタミンB群はお互いに影響して働きを高める為、葉酸を含むビタミンB群は妊活中にはとても大切な栄養素と言えます。

一緒に食べたい相性の良い食材

卵と一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。

緑黄色野菜

完全栄養食品と言われる卵ですが、ビタミンCと食物繊維は含まれていません。
こうした卵だけで補えない栄養素は緑黄色野菜と組み合わせて食べることで補うことができます。

卵のおすすめレシピ

卵を使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。
どちらも緑黄色野菜を使ったレシピです。ぜひお試し下さい。

人参のキッシュ風オムレツ

人参は食物繊維が豊富なので、卵と合わせて食べたい食材です。
人参独特のにおいを卵がマイルドにしてくれるので、食べやすく、相性抜群の組み合わせです。

人参に多く含まれるビタミンA(β-カロテン)は油で調理することによって吸収率が高まります。
β-カロテンは人参の皮のすぐ下に集まっているので、皮はむかずに調理しましょう。

◇材料(2人分)

  • 人参…80g
  • 合挽き肉…100g
  • 塩、こしょう…少々
  • オリーブ油…小さじ1
  • 卵…2個
  • 牛乳…100㏄
  • 粉チーズ…小さじ1

◇作り方

  1. 人参は繊切りにする。
  2. フライパンにオリーブ油を熱し、人参、合挽き肉の順に炒め、塩、こしょうで味を整える。
  3. ボウルに卵を割り入れ、牛乳と②を加えて軽く混ぜる。
  4. オリーブ油(分量外)を薄く塗った耐熱容器に、③を流し入れ、粉チーズを振り、オーブントースターで10分程度焼き、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • カロリー 278kcal
  • たんぱく質 17.2g
  • コレステロール 250㎎
  • 鉄 2.0㎎
  • 亜鉛3.2㎎
  • ビタミンA 391ugRAE
  • ビタミンD 1.1ug
  • ビタミンB群(B1 0.21㎎/B2 0.42㎎/ナイアシン 2.7㎎/B6 0.24mg/B12 1.3ug/葉酸  35ug/パントテン酸 1.59mg)

人参のキッシュ風オムレツ

ブロッコリーミモザ

ブロッコリーのビタミンC含有量は野菜の中でもトップクラス。
ビタミンAやEも豊富です。
栄養価が高い卵と合わせれば、相乗効果で抗酸化力がアップし、卵子の老化予防になります。

◇材料(2人分)

  • ブロッコリー 120g
  • 卵 1個
  • ポン酢 小さじ1
  • かつお節 少々
  • マヨネーズ 小さじ1

◇作り方

  1. ブロッコリーは食べやすい大きさに切り、茹でる。
  2. ゆで卵を作り、白身と黄身に分け、白身は包丁で粗みじん切りにしてからマヨネーズと混ぜ合わせる。黄身は裏ごしをする。
  3. ブロッコリーにポン酢とかつお節を和えて混ぜ合わせ、お皿に盛り付ける。その上にマヨ
  4. ネーズを混ぜ合わせた白身をのせ、最後に裏ごしした黄身を散らして、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 88kcal
  • たんぱく質 6.1g
  • コレステロール 108mg
  • 鉄 1.1mg
  • 亜鉛 0.8mg
  • ビタミンA 79ugRAE
  • ビタミンD 0.5ug
  • ビタミンB群(B1 0.10㎎/B2 0.2㎎/ナイアシン 0.7㎎/B6 0.19mg/B12 0.3ug/葉酸 137ug/パントテン酸 1.05mg)

ブロッコリーミモザ

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卵の保存方法

卵は尖った方を下にして、パック容器のまま10℃以下の冷蔵庫で保存します。
賞味期限は生で食べられる期限のことで、賞味期限として記載されている約2週間の間は生食が可能です。
パック容器のまま保存するのは、衛生上の理由からです。

卵の殻にはサルモネラ菌が付着している場合がある為、卵をパック容器から出して冷蔵庫に入れてしまうと、サルモネラ菌が他の食品に移ってしまう可能性があります。
パック容器のままであれば、その危険性を最小限にできます。

卵パワーで妊娠しやすい体づくりを

卵には良質なたんぱく質をはじめ、性ホルモンの材料となるコレステロール、現代人に不足しがちな鉄や亜鉛、体内のあらゆる働きを正常に保つビタミンA、ビタミンD、ビタミンB群など、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素が豊富に含まれています。

完全栄養食品と言われるほど栄養価が高い卵ですが、価格はお手頃な点も嬉しいですね。
ぜひ、毎日の食事に卵を取り入れることをおすすめします。
卵パワーで妊娠しやすい体づくりをしましょう。

執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)