いちごで妊娠力アップ!妊活中の栄養・レシピ解説

いちご 野菜・いも類・果物

真っ赤な色が愛らしいいちごはデザートとして絶対的な人気を誇ります。
最近は、品種改良により白色やピンク色といった希少価値のある品種のいちごも登場して注目されています。

いちごには妊活中に大切な働きをするビタミン、ミネラルなどが豊富に含まれており、妊娠力アップにおすすめの食材です。
今回はいちごに含まれる栄養素の解説をはじめ、相性の良い食材、いちごを使ったレシピや保存方法などをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

いちごに含まれる栄養素

いちごに含まれる主な栄養素はビタミンC、葉酸、カリウムです。
ここではいちごに含まれる栄養素がどのように妊活に有効なのか、その働きを解説します。

卵子の老化を予防するビタミンC

いちごのビタミンC含有量は果物の中でトップクラスを誇ります。
日本人の食事摂取基準によると、ビタミンCの一日の推奨量は成人で100㎎とされています。
ビタミンC100㎎とは、いちごで換算すると、中サイズのいちご(20g/粒)8粒ほどです。
つまり、いちご8粒で一日に必要なビタミンCが摂れるということになります。

ビタミンCが豊富と言われるレモンですが、ビタミンC100mgをレモンで換算すると、皮付きのまるごとレモン(100g/個)1個、またはレモン汁100㏄という計算になります。
このように、レモンと比べても、いちごは手軽で効率的なビタミンCの補給源と言えます。

いちごに豊富に含まれるビタミンCは強い抗酸化作用を持っています。
ビタミンCの抗酸化作用により、老化の原因となる活性酸素から細胞が守られます。
妊活において、ビタミンCの抗酸化作用は卵子の老化を予防してくれます。

妊活女性に必須な葉酸

いちごに豊富な栄養素としてはビタミンCが注目されがちですが、葉酸の含有量も果物の中でトップクラスを誇ります。
葉酸はお腹の赤ちゃんの脳や神経を作るのに不可欠な栄養素で、厚生労働省も妊娠を希望する女性に積極的な摂取を勧めています。

なぜ、妊娠前から葉酸を積極的に摂る必要があるのでしょうか。
それは、赤ちゃんの脳は妊娠6週目(おおよそ妊娠1ヶ月半)には出来上がるからです。
つまり、妊娠に気がついた頃には赤ちゃんの脳が出来上がっているので、妊娠前の妊活中から積極的に葉酸を摂取する必要があるのです。
葉酸が不足すると赤ちゃんの脳の発育に悪影響を及ぼすことがあります。

いちごには赤ちゃんの脳や神経をつくる葉酸が豊富に含まれているので、妊活中の女性におすすめの食材です。

浮腫みを予防するカリウム

カリウムには体内の水分バランスを保ち、ナトリウムが増えすぎないように調節する働きがあります。
体内でカリウムが不足したり、ナトリウムが過剰になると、ナトリウム濃度を下げる為に、細胞内に多くの水分を取り込みます。
すると、血管内の水分が増えて、それが全身に回り、浮腫みの原因となります。

現代人は加工食品を食べる機会や外食が増えて、ナトリウムを摂り過ぎる傾向にある為、ナトリウムの排出を促してくれるカリウムは意識して摂りたい栄養素です。
また、妊活中の浮腫みは子宮や卵巣の機能低下につながるので、カリウムをしっかり摂って、浮腫みを予防しましょう。

一緒に食べたい相性の良い食材

いちごと一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。

ビタミンAが豊富なチーズと合わせて食べよう

いちごに含まれるビタミンCは前述の通り、卵子の老化予防に効果的ですが、体内の活性酸素により、ビタミンCは酸化され消耗します。

牛乳の栄養素が濃縮されたチーズにはビタミンAが豊富です。チーズに含まれるビタミンAはビタミンCの酸化を防いでその働きを守ります。
つまり、チーズのビタミンAがビタミンCの抗酸化作用を守ってくれる為、卵子の老化予防が促進されるのです。

3. いちごのおすすめレシピ

いちごを使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。
そのまま食べることが多いいちごですが、少し手を加えることで、いちごの新たな美味しさを発見できます。ぜひお試し下さい。

3.1 いちごのフルーツサンド

いちごと相性の良いチーズを使ったレシピです。
いちごには食物繊維が含まれ、チーズやヨーグルトに含まれる乳酸菌のエサとなり、善玉菌を増やし、腸内環境を整えてくれます。
また、ヨーグルトに含まれる良質なたんぱく質は健康な体の土台づくりに欠かせません。
いちご+チーズ+ヨーグルトは抗酸化作用と整腸作用、加えて健康な母体づくりが期待できる、妊活におすすめの組み合わせです。

◇材料(1人分)

  • 全粒粉入り食パン6枚切り…2枚
  • 水切りヨーグルト…60g
  • クリームチーズ…20g
  • いちご…大粒2.5粒(60g強)

◇作り方

  1. 水切りヨーグルトを作る。ボールの上に置いたザルにキッチンペーパーを敷き、プレーンヨーグルトをのせ、丸一日冷蔵庫に置いておく。
    丸一日経つと水切りヨーグルトが出来ている。プレーンヨーグルト1パック(400g)に対し、出来上がりは、水切りヨーグルト200gと乳清200g。
    ボールに溜まった乳清は捨てずに料理に活用したり、ドリンクとして飲みましょう。
  2. クリームチーズは室温に戻しておく。
  3. 食パンの耳はカットする。苺はヘタを取り、2等分に切る。
  4. 水切りヨーグルトとクリームチーズを混ぜ合わせる。
  5. 食パン2枚に、④を1/2ずつ塗り、片方の食パンにいちごを並べたら、もう片方の食パンを重ねて、ラップに包む。
  6. 包丁を温め、⑤の食パンをカットし、ラップを外して、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 376kcal
  • たんぱく質 13.2g
  • ビタミンC 40mg
  • 葉酸 99ug
  • カリウム 476mg

いちごのフルーツサンド

いちごドレッシングで食べるチキンサラダ

いちごに豊富なビタミンCには、たんぱく質からコラーゲンを合成する働きもあります。
肌にハリや潤いを与えてくれることで知られるコラーゲンですが、コラーゲンには、子宮粘膜を厚くし、子宮環境を整えてくれる働きがあります。
サラダチキンのたんぱく質といちごのビタミンCは妊活に大切な働きをするコラーゲンを作り出すおすすめの組み合わせと言えます。

◇材料(2人分)

  • サラダチキン…80g
    レタス…80g
    水菜…40g
    ミニトマト…2個

いちごドレッシング

  • いちご…50g
  • オリーブ油…大さじ2
  • 酢…大さじ1
  • はちみつ…少々

◇作り方

  1. サラダチキンは食べやすい大きさに切る。レタスは食べやすい大きさにちぎり、水菜は4㎝位の長さに切る。ミニトマトは4等分に切る。
  2. 【いちごドレッシングを作る】いちごはみじん切りにする。ボールにみじん切りにしたいちごとオリーブ油、酢を入れて、ホイッパーでよく混ぜ合わせる。甘みが足りない場合はお好みではちみつを少々加えて、いちごドレッシングの完成。
  3. お皿に①の野菜とサラダチキンを盛り付け、いちごドレッシングを添えて、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 181kcal
  • たんぱく質 10.4g
  • ビタミンC 35mg
  • 葉酸 90ug
  • カリウム 410mg

いちごドレッシングで食べるチキンサラダ

いちごを使った他の妊活レシピを見る

「いちごヨーグルトムース」の作り方
妊活中に摂りたい栄養素が補える、「いちごヨーグルトムース」のレシピをご紹介しています。妊活に必須のビタミンCと葉酸を含むいちごに加え、たんぱく質とカルシウムが豊富なヨーグルトを使った妊活をサポートする栄養たっぷりのメニューです。ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

いちごの保存方法

いちごは常温では傷みやすいので、冷蔵保存または冷凍保存しましょう。

冷蔵保存

買ったままのパックに入っている状態は、いちご同士が重なり合っていて、そこから傷みやすくなります。パックから出しましょう。
洗ったり、ヘタを取ったりせずにラップに包みます。
いちご同士を重ねずにヘタの部分を下にして、保存容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。(保存期間目安3~5日)

冷凍保存

洗って、ヘタを取ったいちごを保存袋に入れ、重量の5~10%程度の砂糖をまぶし、密閉して保存します。
この時に、いちごを少し潰してから冷凍しておくと、シャーベットやジャムに使いやすくなります。(保存期間目安1ヶ月)

いちごパワーで妊娠しやすい体づくりを

いちごには卵子の老化を予防するビタミンCや妊活女性に必須な葉酸、そして、浮腫みを予防するカリウムなど妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素が豊富に含まれています。
また、そのまま食べることが多いいちごですが、相性の良い食材と組み合わせることで、栄養効果も高まります。
いちごパワーで妊娠しやすい体づくりをしましょう。

執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)