「レモン○○個分のビタミンC」という言葉があるように、ビタミンCの代名詞のように扱われているのがレモンです。
レモンにはビタミンC以外にも、妊活中に大切な働きをする栄養成分が豊富に含まれており、妊娠力アップにおすすめの食材です。
今回はレモンに含まれる栄養素や成分の解説をはじめ、食べ方のコツ、相性の良い食材、レモンを使ったレシピや保存方法などをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。
レモンに含まれる栄養素
レモンはビタミンCやクエン酸、ポリフェノールを豊富に含んでいます。
ここではレモンに含まれるこれらの栄養素や成分がどのように妊活に有効なのか、その働きを解説します。
卵子の老化防止と健康維持に役立つビタミンC
レモンのビタミンC含有量は果物の中で群を抜いており、このビタミンCは強い抗酸化作用を持っています。
細胞は活性酸素によって酸化することで、老化や病気が引き起こされます。
ビタミンCは老化の原因である活性酸素から細胞を守る働きがあるので、卵子の老化も予防してくれます。
また、ビタミンCには白血球を活性化させて免疫力を高め、風邪を予防したり、ストレスに対する抵抗力を高めるなど、健康維持に役立つ様々な働きもあります。
さらに、ビタミンCには、妊活中に積極的に摂りたい栄養素である鉄や亜鉛の吸収を高める作用があるので、ビタミンCを豊富に含むレモンは妊活中におすすめの食材です。
疲労回復に効果的なクエン酸
クエン酸はレモン独特の酸っぱさを生み出している、柑橘類に豊富な酸味成分です。
レモンに豊富に含まれるクエン酸は、エネルギー代謝に関わり、疲労物質である乳酸を分解する働きがあるので、疲労回復に効果的です。
疲れをため込まないことは妊娠しやすい体づくりにとても大切です。
また、クエン酸には赤ちゃんの骨や歯をつくるのに欠かせないカルシウムの吸収を高める働きもあります。
妊活中の強い味方ポリフェノール
レモンの皮の部分にはエリオシトリンやヘスペリジンといった、ポリフェノール類が豊富に含まれています。
ポリフェノールは強い抗酸化作用を持っており、前述にあるビタミンCと同様、卵子の老化を予防してくれます。
また、ポリフェノールには血行を良くしてくれる働きもあるので、妊活中の大敵である冷えを改善する効果が期待出来ます。
また、血行が良くなることで卵子に必要な栄養が届き、卵子が健やかに保たれます。
レモンの食べ方のコツ
こまめに食べましょう
水溶性ビタミンであるビタミンCは水に溶けやすく、熱に弱いという性質があります。また、一度に大量に摂ると、余分なビタミンCは尿中に排泄されます。
また、疲労回復に効果的なクエン酸も体内のエネルギー代謝において常時使われているので、疲労回復の効果を得る為には、こまめな補給が大切になります。
したがって、ビタミンCとクエン酸を多く含むレモンは、まとめて大量に食べるのではなく、一日数回に分けて摂取することで、その効果を高めることが出来ます。
皮もまるごと食べましょう
レモンに豊富なビタミンCやポリフェノールはレモンの皮の部分に特に多く含まれています。
その為、レモンの皮を食べずに捨ててしまうのは、せっかくの栄養を無駄にしてしまうことになります。
料理によってはレモンの果汁のみを使う場合もありますが、これらの栄養効果を期待するのであれば、なるべく皮も一緒に食べることをおすすめします。
ただし、外国産レモンの表面には防かび剤が塗られており、普通の洗い方では完璧に落とすことは出来ません。
国産レモンには防かび剤は塗られていないので、皮も食べる場合は、国産を選ぶと安心です。
また、皮も食べる場合は完熟したレモンを使いましょう。完熟したレモンは皮の苦みが減るので、食べやすくなります。
一緒に食べたい相性の良い食材
レモンと一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。
牛乳
牛乳はたんぱく質、カルシウム、鉄などを豊富に含むバランス食品です。
牛乳に豊富な鉄は、レモンのビタミンCによって吸収が促進されるので、貧血予防効果が高まります。
同じく、牛乳に豊富なカルシウムは、レモンのクエン酸によって吸収が促進されます。
また、牛乳に豊富なこれらの栄養素はレモンにはほとんど含まれていない為、牛乳とレモンを一緒に摂ることで栄養バランスが良くなります。
レモンのおすすめレシピ
レモンを使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。ぜひお試し下さい。
レモンラッシー
レモンと相性の良い牛乳を使ったレシピです。
材料を混ぜるだけで出来るので、忙しい朝にもおすすめです。
妊活中はきちんと朝食を食べて体のリズムを整えることが大切です。
睡眠中に下がった体温は朝食を摂ることで上昇します。
体温が上がることで、血行がよくなり、妊娠体質に近づくことができます。
◇材料(1人分)
- 牛乳…150㏄
- レモン汁…大さじ2
- はちみつ…大さじ1
◇作り方
- 全ての材料をコップに入れ、良くかき混ぜて、完成。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 172kcal
- たんぱく質 5.1g
- ビタミンC 17㎎
レモンクリーミードレッシング
冷凍したまるごとレモンをすりおろして使います。
皮も使うことでレモンの栄養を余すことなく摂ることが出来ます。
サラダはもちろん、肉料理や魚料理のソースとしてもおすすめのドレッシングです。
◇材料(作りやすい分量、5~6人分)
- 生クリーム…100cc
- 冷凍レモンすりおろし…大さじ2
- 塩…小さじ1/2
- こしょう…少々
- はちみつ…大さじ1/2
- オリーブ油…大さじ2
◇作り方
- ボールに生クリームを入れ、ホイッパーで6分立て程度にホイップする。
- ①にレモンすりおろし、塩、こしょう、はちみつを加え、混ぜ合わせる。
- ②にオリーブ油を加え、さらに良く混ぜ合わせ、完成。
※レモンをすりおろす際、ヘタと種は苦みが強いので取り除きましょう。
※このドレッシングは生クリームのホイップ加減で固さが変わるので、食材や料理によって、アレンジが可能です。8分立てにホイップすると、スティック野菜に良く合う、ディップソースになります。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 123kcal
- たんぱく質 0.5g
- ビタミンC 16㎎
レモンの保存方法
常温保存
まるごとのレモンは冷暗所で保存可能です。(保存期間目安1週間)
冷蔵保存
まるごとのレモンは保存袋に入れるか新聞紙に包んで保存します。(保存期間目安2週間~1ヶ月)
切ったものはラップで包み、保存します。切り口から乾燥しやすいので、なるべく早く使い切りましょう。
冷凍保存
輪切りにして冷凍する場合はレモン同士が重ならないようにラップに包み、小分けして保存袋に入れます。(保存期間目安3週間)
まるごとレモンを冷凍する場合はラップに包み、保存袋に入れます。(保存期間目安1ヶ月)
レモンパワーで妊娠しやすい体づくりを
レモンには、ビタミンCやクエン酸、ポリフェノールなど、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素や成分が豊富に含まれています。
食べ方のコツを知り、相性の良い食材と組み合わせることでレモンの栄養効果も高まります。
レモンパワーで妊娠しやすい体づくりをしましょう。
執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)