豆苗で妊娠力アップ!妊活中の栄養・レシピ解説

豆苗 野菜・いも類・果物

豆苗はえんどう豆の新芽の部分で「豆」と「緑黄色野菜」の両方の栄養素を併せ持ち、ほんのり香る豆の風味と、シャキシャキとした食感が特徴の野菜です。
豆苗はビタミン群の多さが際立っており、野菜の中でも栄養価が高く、妊活におすすめの食材です。
今回は豆苗に含まれる栄養素の解説をはじめ、相性の良い食材や豆苗を使ったレシピなどをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

豆苗に含まれる栄養素

豆苗はビタミン群の宝庫といわれる程、ビタミンを豊富に含んでいます。
ビタミンは、他の栄養素の吸収を助けたり、皮膚や血管を健康に保つなど、体内で重要な働きする栄養素です。
ここでは、豆苗に豊富に含まれるビタミンの中から妊活中に有効な働きをする、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンC、ビタミンB1・B2について解説します。

子宮環境を整えて胎児の成長をサポートするビタミンA

ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれ、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンがありますが、豆苗に含まれるビタミンAは後者のβ-カロテンです。
豆苗のβ-カロテン含有量は、β-カロテンが豊富な野菜として有名な小松菜に匹敵します。

ビタミンAには皮膚や粘膜の状態を整え、細菌感染などから細胞を守ってくれる働きがあり、子宮環境を整えてくれます。
また、妊娠初期の胎児の成長に重要な働きをするので、赤ちゃんが欲しいと思ったら、ぜひとも摂っていただきたい栄養素がビタミンAです。
脂溶性ビタミンであるビタミンAは、油と一緒に摂ることで吸収が高まります。
豆苗は炒めることによってかさが減り、その栄養素を効率よく摂取することができます。

出血を止め、骨や歯を強くするビタミンK

ビタミンKには大きく分けて2つの働きがあります。
1つ目の働きは「出血を止める」ことです。
ビタミンKは血液を凝固させる成分を合成します。
出血しても自然に血が止まるのは、ビタミンKを含む、血液凝固物質の働きによります。
月経による出血量が多い(月経過多)女性は、ビタミンKを摂取することで、症状を軽減する効果も期待できます。

ビタミンKの2つ目の働きは「カルシウムの吸収を高める」ことです。
ビタミンKには、カルシウムが血液中に溶け出すのを抑え、カルシウムが骨に沈着するのを助ける働きがあります。
カルシウムの吸収を高める栄養素としてはビタミンDが有名ですが、ビタミンKもビタミンDと協働してカルシウムの吸収を高め、赤ちゃんの丈夫な骨や歯をつくるサポートをします。
ビタミンKは、前述にあるビタミンAと同じ脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収が高まります。

妊活中の強い味方ビタミンB1とB2

ビタミンB1とビタミンB2はビタミンB群に属し、お互いに影響し合いながら、体内でそれぞれ重要な働きをします。
ビタミンB1には、糖質をエネルギーに変える働きがあり、疲労の回復を助け、精神を安定させる働きがあります。
疲れをため込まないこと、精神を安定させることは妊活中の体づくりにとても大切です。

ビタミンB2は脂質の代謝に深く関わっています。
ビタミンB2には、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあり、その働きから「美容ビタミン」とも呼ばれます。
ビタミンB2は胎児の発育を助ける働きもあり、妊活中だけでなく、妊娠期もサポートしてくれます。

卵子の老化を予防するビタミンC

ビタミンCは強い抗酸化作用を持っています。
加齢や日々のストレスにより、人の体内には酸化物(=サビ)が溜まります。
この酸化物が蓄積することで、老化が進行します。
当然のことながら、酸化物は卵子にも溜まり、その蓄積は卵子の老化につながってしまいます。
ビタミンCの強い抗酸化作用は、卵子の酸化物を取り除きます。
これにより、卵子の老化が予防されます。

一緒に食べたい相性の良い食材

豆苗と一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。

良質なたんぱく質源である豚肉と合わせて食べよう

豚肉には健康な母体づくりの基本となる、良質なたんぱく質が豊富に含まれています。
たんぱく質を材料にして、皮膚、髪の毛、骨、筋肉、血、内臓、ホルモンにいたるまで、私たちの体は作られています。
ビタミン群の宝庫である豆苗に豚肉の良質なたんぱく質が加わることで、豆苗の栄養が補われ、栄養価が高まります。

豆苗のおすすめレシピ

豆苗を使った妊活レシピを2つご紹介します。ぜひお試し下さい。

豆苗と豚肉のにんにく味噌炒め

豆苗と相性の良い豚肉を使ったレシピです。
豆苗に豊富に含まれるビタミンAやビタミンKは脂溶性ビタミンであり、油と一緒に摂ることで吸収が高まります。
これにより、赤ちゃんの発育に適した子宮環境が整い、丈夫な骨や歯がつくられます。

◇材料(2人分)

  • 豚小間肉…150g
  • 豆苗…1パック
  • ごま油…大さじ1
  • にんにく(おろし)…小さじ1
  • 調味料
    • 味噌…大さじ1
    • みりん…大さじ 2
    • 粉末だし…小さじ1/2

◇作り方

  1. 豚肉は食べやすい大きさに切る。豆苗は根元を切り落として2等分に切り、水洗いし、水気を切る。調味料は合わせる。
  2. フライパンにごま油とにんにくを入れ、弱火にかけ、にんにくの匂いが立ったら、豚肉を入れて炒める。
  3. 豚肉に火が通ったら、調味料を加えて、さらに炒める。
  4. ③に豆苗を入れて、さっと炒めたら(余熱で炒める程度でOK)、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 303kcal
  • たんぱく質 17.5g
  • ビタミンA(β-カロテン) 1550ug
  • ビタミンK 108ug
  • ビタミンB1 0.77mg
  • ビタミンB2 0.26mg
  • ビタミンC 22mg

豆苗と豚肉のにんにく味噌炒め

豆苗なめ茸サラダ

豆苗に含まれるビタミンB1やB2、ビタミンCは水溶性ビタミンなので、これらの栄養素を効率良く摂るには生で食べるのがベスト。
焼き海苔も豆苗と同様にビタミンを豊富に含んでいるので、相乗効果で栄養素の働きが高まります。
ビタミンがたっぷり摂れる美容にもおすすめの一品です。

◇材料(2人分)

  • 豆苗…1パック
  • なめ茸…大さじ2
  • 焼き海苔(又は韓国海苔)…1/2枚

◇作り方

  1. 豆苗は根元を切り落として食べやすい長さに切り、しっかりと洗い、水気を切る。
  2. ①になめ茸を和えて、お皿に盛り、焼き海苔を散らして、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 26kcal
  • たんぱく質 2.6g
  • ビタミンA(β-カロテン) 1685ug
  • ビタミンK 107ug
  • ビタミンB1 1.20mg
  • ビタミンB2 1.40mg
  • ビタミンC 23mg

豆苗なめ茸サラダ

豆苗の保存方法

パックのままスポンジ部分を下にして冷蔵庫の野菜室で保管し、購入から2~3日以内を目安に食べ切りましょう。

妊活のおすすめ食材「豆苗」

豆苗には、子宮環境を整えて胎児の成長をサポートするビタミンAをはじめ、出血を止め骨や歯を強くするビタミンK、糖質や脂質の代謝に関わるビタミンB1・B2、卵子の老化を予防するビタミンCなど、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素が豊富に含まれています。
豆苗は一年を通して、店頭に並んでおり、値段も安く、日々の食事にも取り入れやすい食材です。
妊娠しやすい体づくりの為に、豆苗をおすすめします。

執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)