小松菜は本来、冬が旬の野菜ですが、ハウス栽培が盛んなので一年を通して出回っており、食卓に並ぶ機会が多い食材です。
小松菜は野菜の中でも栄養価が高く、妊活中に必要な栄養素を豊富に含んでいます。
今回は妊活におすすめの食材「小松菜」について解説します。
小松菜に含まれる栄養素の解説をはじめ、相性の良い食材や小松菜を使ったレシピなどをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。
小松菜に含まれる栄養素
緑黄色野菜である小松菜にはビタミンA(β-カロテン)をはじめ、豊富なビタミンやミネラルが含まれています。
ここでは小松菜に含まれる栄養素の中でも妊活中に重要な働きをする、ビタミンA、カルシウム、鉄、葉酸について解説します。
子宮環境を整えて胎児の成長をサポートするビタミンA
ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれ、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンがありますが、小松菜に含まれるビタミンAは後者のβ-カロテンです。
ビタミンAには粘膜や皮膚の状態を整え、細菌感染などから細胞を守ってくれる働きがあり、子宮環境を整えてくれます。
また、妊娠初期の胎児の成長に重要な働きをするので、赤ちゃんが欲しいと思ったら、ぜひとも摂っていただきたい栄養素がビタミンAです。
一方で、ビタミンAは過剰摂取により、胎児に奇形が起こるなどの悪影響が出るとの指摘がされています。
しかし、植物性食品のβ-カロテンには動物性食品のレチノールのような過剰摂取による害はないと言われています。
なぜならば、β-カロテンは体内のビタミンAが足りている時はビタミンAに変わらずに、余った分は体外へ排出されるからです。
小松菜には子宮環境を整えて妊娠初期の胎児の成長に重要な働きをするビタミンA(β-カロテン)が豊富に含まれているので、妊活中の方におすすめの食材です。
赤ちゃんの骨や歯をつくるカルシウム
カルシウムは骨や歯をつくるのに不可欠な栄養素で、筋肉を動かしたり、精神の安定にも働きます。
カルシウムは赤ちゃんの発育には欠かせない栄養素で、お母さんのおなかの中にいる時は胎盤を通してカルシウムをもらい、歯や骨が作られます。
また、出産後も母乳を通してカルシウムをもらいます。
ですから、赤ちゃんに十分なカルシウムをあげられるように、妊娠の準備期である妊活中から十分なカルシウムを摂っておく必要があります。
小松菜のカルシウム含有量はほうれん草より多く、カルシウムが特に豊富な牛乳に匹敵しますので、妊活中の方におすすめの食材です。
貧血予防に働く鉄や葉酸
小松菜に豊富に含まれる、鉄や葉酸には赤血球をつくり、貧血を予防する働きがあります。
鉄不足による貧血を鉄欠乏性貧血(貧血全体の90%を占める)、葉酸などの不足による貧血を悪性貧血といいます。
妊娠すると、おなかの赤ちゃんに酸素を届ける為に、妊娠前の2倍の赤血球が必要になります。妊娠すると貧血になりやすいのはこの為です。
妊娠した時からお腹の赤ちゃんに十分な酸素を届けられるよう、妊活中から鉄や葉酸の摂取を意識し、貧血を予防しましょう。
また、葉酸は胎児の脳や神経を作るのに不可欠な栄養素で、厚生労働省も妊娠を希望する女性に積極的な摂取を勧めています。
一緒に食べたい相性の良い食材
小松菜と一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。
たんぱく質豊富な卵と合わせて食べよう
卵の良質なたんぱく質は小松菜に豊富に含まれる鉄の吸収を高めてくれるので、女性に多い鉄欠乏性貧血の改善や予防への効果が期待できます。
また、「完全栄養食品」と言われるほど栄養価の高い卵ですが、ビタミンCと食物繊維は含まれません。
小松菜には卵に含まれないビタミンCと食物繊維が含まれているので、小松菜と卵を合わせて食べることで、バランス良く全ての栄養素を摂取することになり、相乗効果で栄養価が高まります。
小松菜のおすすめレシピ
小松菜を使った妊活におすすめのレシピを2つご紹介します。
どちらのレシピ小松菜と相性の良い食材を使ったレシピです。ぜひお試し下さい。
レンジで簡単!小松菜の茶わん蒸し
小松菜と相性の良い卵を使ったレシピです。
卵の良質なたんぱく質は小松菜に豊富な鉄の吸収を高めると同時に、カルシウムの吸収も高めてくれます。
また、干し椎茸に含まれるビタミンDもカルシウムの吸収には欠かせない栄養素です。
鉄とカルシウムはどちらも妊活中に大切な働きをする栄養素です。
また、どちらも不足しがちな栄養素なので、吸収を高めてくれる卵と合わせることで、効率よく摂取しましょう。
◇材料(2人分)
- 小松菜…100g
- 干し椎茸(スライス)…1個分
- かまぼこ…40g
- 卵…2個
- 水…200㏄
- 白だし…小さじ4
◇作り方
- 小松菜は1㎝の長さに切り、ラップに包み、レンジで30秒~1分加熱する。
- 干し椎茸は水で戻し、かまぼこは薄切りにする。
- ボールに卵を割り入れ、水、白だしを加えて混ぜ、出来上がった卵液をザルでこす。
- お皿に小松菜、椎茸、かまぼこを入れ、上からゆっくりと卵液を注ぎ入れる。
- ④にラップをし、レンジで約3分加熱して(お皿の大きさや深さにより加熱時間は調整が必要)、完成。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 103kcal
- たんぱく質 9.5g
- ビタミンA(β-カロテン) 1559ug
- カルシウム 116mg
- 鉄 2.4mg
- 葉酸 79ug
小松菜と燻製牡蠣のソテー
牡蠣には鉄が豊富に含まれています。
同じく鉄が豊富な小松菜と合わせて食べれば、2倍の鉄で貧血予防になります。
また、小松菜や人参に多く含まれるビタミンA(β-カロテン)は油で調理することによって吸収率が高まります。
β-カロテンは人参の皮のすぐ下に集まっているので、皮はむかずに調理しましょう。
◇材料(4人分)
- 小松菜…一束(300g)
- 人参…100g
- 牡蠣オリーブオイル漬け…80g
- 塩、こしょう…少々
◇作り方
- 小松菜は4~5㎝に切る。人参は4~5㎝の短冊切りにする。
- フライパンに牡蠣オリーブオイル漬けのオイルを少量熱し、人参を炒める。
- 人参に油が回ったら、小松菜と牡蠣オリーブオイル漬けを加えて炒め、塩、こしょうで味を整え、完成。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 80kcal
- たんぱく質 3.8g
- ビタミンA(β-カロテン) 4479ug
- カルシウム 142mg
- 鉄 3.1mg
- 葉酸 93ug
小松菜の保存方法
湿らせた新聞紙で包み、冷蔵庫に入れ立てて保存し、2~3日で使い切りましょう。
冷凍保存の場合は硬めに茹でて、水気を取り、使いやすい長さに切ってからラップに包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。1ヶ月以内に食べ切りましょう。
妊活のおすすめ食材「小松菜」
小松菜には子宮環境を整えて胎児の成長をサポートするビタミンAや、赤ちゃんの骨や歯をつくるカルシウム、貧血予防に働く鉄と葉酸など、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素が豊富に含まれています。
また、相性の良い食材と組み合わせることで、小松菜に豊富な栄養素をさらに効率よく摂取できます。
日々の食事に小松菜を取り入れて、妊娠力をアップさせましょう。
執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)