かぼちゃで妊娠力アップ!妊活中の栄養・レシピ解説

かぼちゃ 野菜・いも類・果物

夏が収穫時期のかぼちゃですが、「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」という言葉があるように、かぼちゃは長期保存が可能で栄養価も高く、昔から緑黄色野菜が少なくなる冬の貴重な栄養源として食べられてきました。

栄養価が高いかぼちゃは妊活におすすめの食材です。
今回はかぼちゃに含まれる栄養素や成分の解説をはじめ、食べる時の注意点、相性の良い食材やかぼちゃを使ったレシピなどをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

かぼちゃに含まれる栄養素

かぼちゃにはビタミンAをはじめとしたビタミン類や食物繊維が豊富に含まれています。
ここでは、かぼちゃに含まれる栄養成分の中から妊活中に有効な働きをする、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCおよび、食物繊維について解説します。

ビタミンAが子宮環境を整えて胎児の成長をサポート

かぼちゃに含まれる栄養素で特に多いのがビタミンAです。
ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれ、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンがありますが、かぼちゃに含まれるビタミンAは後者のβ-カロテンです。
ビタミンAには粘膜や皮膚の状態を整え、細菌感染などから細胞を守ってくれる働きがあります。
妊活に関わる事として、ビタミンAは子宮環境を整えてくれます。

また、妊娠初期の胎児の成長にも重要な働きをするので、妊活中は積極的に摂っていただきたい栄養素です。

一方で、ビタミンAは過剰摂取により、胎児に奇形が起こるなどの悪影響が出るとの指摘がされています。
しかし、植物性食品のβ-カロテンには動物性食品のレチノールのような過剰摂取による害はないと言われています。
なぜならば、β-カロテンは体内のビタミンAが足りている時はビタミンAに変わらずに、余った分は体外へ排出されるからです。

卵子の老化を予防するビタミンEやビタミンC

かぼちゃに多く含まれているビタミンEやビタミンCはどちらも強い抗酸化作用を持っています。

加齢や日々のストレスにより、人の体内には酸化物(=サビ)が溜まります。
この酸化物が蓄積することで、老化が進行します。
当然のことながら、酸化物は卵子にも溜まり、その蓄積は卵子の老化につながってしまいます。

ビタミンEとビタミンCの強い抗酸化作用は、酸化物を取り除き、卵子の老化予防をしてくれます。
また、ビタミンEとビタミンCは一緒に摂ることによって体内で有効利用され、抗酸化作用の効果も持続しますので、この2つの栄養素を併せ持つかぼちゃは、妊活におすすめの食材です。

さらに、ビタミンEには血行を促進する作用があるので、血行が良くなることにより、卵子に必要な栄養が届き、卵子が健やかに保たれます。

腸内環境を整える食物繊維

かぼちゃには便秘を予防して、腸内の健康を保つ働きのある食物繊維が含まれています。

腸内の健康を保つことは妊活していく上でとても大切です。
なぜなら、せっかく妊活に効果的な栄養バランスのよい食事を摂っていても、腸内環境が悪ければ、栄養素がうまく消化吸収されず、無駄になってしまうからです。

腸内環境を整えるには腸内の善玉菌を増やすことが大切になります。
かぼちゃに多く含まれている食物繊維は善玉菌のエサとなり、有害物質を減らす働きがあるので、かぼちゃは腸内環境を整えるのに適した食材です。

また、赤ちゃんはお母さんの腸内細菌を受け継いで生まれてきます。
と言うのは、出産の時にお腹の赤ちゃんはお母さんの産道を通りますが、その際に産道の細菌を飲み込むことでお母さんの腸内細菌が赤ちゃんに移行するのです。
したがって、妊娠する前の妊活中から、腸内環境を整えておくことはとても大切です。

かぼちゃの皮やワタも捨てずに食べよう

β-カロテンと食物繊維が豊富なかぼちゃですが、かぼちゃは実より、皮やワタの部分に、より多くのβ-カロテンと食物繊維が含まれています。
したがって、皮やワタを食べずに捨ててしまうのは、せっかくの栄養を無駄にしてしまうことになります。
かぼちゃは皮もワタも捨てずに、一緒に食べましょう。ワタは煮込み料理の時などに一緒に煮込むと良いでしょう。

一緒に食べたい相性の良い食材

かぼちゃと一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。

バターをプラスしてβ-カロテンの吸収を高めよう

かぼちゃに豊富なβ-カロテンは脂溶性ビタミンといって、油に溶けやすく、油と一緒に摂ることで吸収が高まる性質を持っています。

また、かぼちゃには同じく脂溶性ビタミンのビタミンEも豊富に含まれています。
良質な乳脂肪を含むバターは、かぼちゃに豊富なβ-カロテンやビタミンEの吸収を高めてくれます。

「脂肪(脂質)=肥満の元、体にあまり良くないもの」というイメージが先行しがちです。
実際、古い油を使った料理や調理してから時間が経過した揚げ物は、油自体が酸化して、体のサビの元となる過酸化脂質という物質に変化しているので、避けるべきです。

しかし、適切な油の摂取は体に良い影響をもたらします。
大切なのは、体に良い油と良くない油を見極めて、良い油を適量摂取することです。
かぼちゃと相性の良いバターを上手に活用して、かぼちゃの栄養価を高めましょう。

かぼちゃのおすすめレシピ

かぼちゃを使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。
どちらのレシピも妊活に大切なかぼちゃの栄養成分をしっかりと摂ることが出来ます。
ぜひお試し下さい。

かぼちゃの豆乳ポタージュ

かぼちゃと相性の良い、バターを使ったレシピです。
皮とワタも使い、かぼちゃの栄養を余すことなく摂り入れましょう。
また、豆乳に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに近い働きをするので、妊娠しやすい体質へとつながります。

◇材料(4人分)

  • かぼちゃ…1/4個
  • 玉ねぎ…150g
  • バター…15g
  • 水…300㏄
  • 調整豆乳…300㏄
  • コンソメ…1個
  • 塩、こしょう…少々

◇作り方

  1. かぼちゃは種とワタを取り除き(ワタは使う)、ふんわりとラップで包んで、レンジで1分半~2分加熱し、適当な大きさに薄切りにする。玉ねぎは薄切りにする。
  2. 鍋にバターを熱し、①のかぼちゃとかぼちゃのワタ、玉ねぎを炒める。
  3. 玉ねぎがしんなりしてきたら、水を加え沸騰後、弱火で15~20分煮込み、火を止める。
  4. ③をハンドブレンダ―にかける。
  5. ④に豆乳とコンソメを加えて、再び火にかけ、塩、こしょうで味を整えて、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 158kcal
  • たんぱく質 4.2g
  • ビタミンA(β-カロテン) 3008ug
  • ビタミンE 5.4mg
  • ビタミンC 35mg
  • 食物繊維 3.5g

かぼちゃの豆乳ポタージュ

ジャーマンパンプキン

オリーブ油とベーコンから出る油がかぼちゃに豊富なβ-カロテンの吸収を高めてくれます。
にんにくの風味とベーコンの塩気によって、かぼちゃの甘みが一層引き立つ一品です。

◇材料(2人分)

  • かぼちゃ 1/8個
  • ブロッコリー 50g
  • ベーコン 40g
  • オリーブ油 大さじ1
  • にんにく(チューブ) 5㎝
  • 塩、こしょう 少々

◇作り方

  1. かぼちゃはレンジで2分程度加熱し、薄切りにする。ブロッコリーは茹でて(蒸して)、小房に分ける。
  2. フライパンにオリーブ油を熱し、ベーコンとにんにくを入れ、にんにくの香りが立ったら、かぼちゃとブロッコリーを加えてかぼちゃに火が通るまで炒め、塩、こしょうで味を整えて、完成。

◇栄養成分(1人分)

  • エネルギー 213kcal
  • たんぱく質 5.1g
  • ビタミンA(β-カロテン) 3213ug
  • ビタミンE 4.8mg
  • ビタミンC 69mg
  • 食物繊維 3.7g

ジャーマンパンプキン

かぼちゃを使った他の妊活レシピを見る

「ブロッコリーとかぼちゃのヨーグルトサラダ」の作り方
妊活中に摂りたい栄養素が補える、「ブロッコリーとかぼちゃのヨーグルトサラダ」のレシピをご紹介しています。ブロッコリーには葉酸、かぼちゃにはビタミンEはじめとした栄養がたっぷり。ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。

かぼちゃの保存方法

常温保存

丸ごとのかぼちゃは、風通しの良い涼しい場所で長期保存が可能です。
(保存期間目安1~2ヶ月)

冷蔵保存

カットされたかぼちゃは、種とワタの部分が傷みやすいので、スプーンなどを使って取り除き、ラップに包んで冷蔵庫で保存しましょう。
(保存期間目安1週間)

冷凍保存

使いやすい大きさに切り、加熱してからラップに包み、保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。
(保存期間目安1ヶ月)

かぼちゃパワーで妊娠しやすい体づくりを

かぼちゃには、子宮環境を整えて胎児の成長をサポートするビタミンAや卵子の老化を予防するビタミンEとビタミンC、そして、腸内環境を整える食物繊維など、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養成分が豊富に含まれています。

かぼちゃの皮は硬く、切るのに手間がかかると思われがちですが、レンジで少し加熱するだけで、とても切りやすくなります。
かぼちゃを日々の食事に取り入れて、妊娠しやすい体づくりをしましょう。

執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)