牛乳に含まれる妊娠力アップに必要な栄養素や相性の良い食材、妊娠力アップの簡単レシピをご紹介します。
身体は食べた物からできており、赤ちゃんはお母さんが食べた物を栄養として育つため、食生活は妊活を行う上で重要です。
牛乳が妊娠力アップに効果的な理由を知り、牛乳を毎日の生活に摂り入れましょう。
牛乳に含まれる栄養素
牛乳は毎日の料理にも取り入れやすく、スーパーでも安く売られている飲み物です。
毎日飲んでいる方もいるかと思いますが、牛乳には妊娠力アップに効果的な栄養素が含まれているのです。
牛乳に含まれている栄養素とその効果をご紹介します。
妊活に必須な良質なたんぱく質
たんぱく質の栄養価は含まれているアミノ酸の割合によって示され、体内で作ることのできない必須アミノ酸の割合を示したものをアミノ酸スコアと言います。
アミノ酸スコアが100に近いほど良質なたんぱく質であると言え、牛乳はアミノ酸スコアが100のため良質なたんぱく質が含まれています。
たんぱく質は皮膚や筋肉、血液や骨などの身体の構成成分になり、精子や卵子もたんぱく質からできているため妊活にとって重要な栄養素です。
たんぱく質が不足すると筋肉量の減少に繋がって血流の流れが悪くなり、妊活の大敵である冷えを招くことに繋がります。
また、たんぱく質は身体の構成成分になるだけではなく、女性ホルモンや成長ホルモンの分泌にも影響するため、妊娠体質になるためにはたんぱく質が必要です。
細胞の成長を促すビタミンB2
ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に必要な栄養であり、細胞を作って成長を促す働きがあるため、妊活中に大切な栄養素と言われています。
胎児の成長に必須である葉酸の代謝を促す働きもあります。
細胞の分裂に必要なビタミンA
ビタミンAは細胞の分裂や成長に関係しており、不足するとお腹の中の赤ちゃんに発育の以上が起こる可能性があると言われています。
細胞の老化を防ぐ抗酸化作用もあるため、細胞からできている卵子や精子の老化も防ぐ働きがあり、妊活中に積極的に摂りたい栄養素です。
豊富なカルシウム
カルシウムにはホルモンバランスを整える働きがあり、排卵や子宮の環境を整える効果があります。
精神の安定にも効果があるため、妊活中に感じるストレスを緩和してくれます。
妊娠中に不足しがちな栄養素である鉄分を作りだす働きもあり、妊娠中の貧血予防に役立ちます。
お母さんがカルシウムを摂取することは胎児の骨の形成のために重要です。
食べ過ぎは禁物
牛乳には動物性脂質も含まれており、食べ過ぎると体脂肪の蓄積に繋がる可能性があります。
動物性脂質の摂り過ぎは血液中の中性脂肪と悪玉コレステロールを増加させるため、多く飲むのではなく、適量を守りましょう。
低脂肪牛乳は選ばず、脂肪分無調整の牛乳を選ぶ
現在の牛乳にはホルモンが多く含まれています。
牛乳には体脂肪が蓄積する原因になる飽和脂肪酸が含まれており、脂質の摂取バランスから見ると摂り過ぎに注意が必要です。
しかし、牛乳に関しては脂肪分無調整の牛乳は排卵障害の不妊症リスクを低減し、低脂肪の牛乳はこのリスクを高めることが分かっています。
低脂肪の方がヘルシーで身体に良いイメージですが、脂肪を取り除く段階で牛乳に含まれる女性ホルモンやプロゲステロンが除去されて、男性ホルモンであるアンドロゲンなどが残ります。
そのため、低脂肪牛乳を飲むと男性ホルモンの摂り過ぎに繋がり、排卵障害のリスクが高まることに繋がるという研究結果が出ているのです。
一見良さそうな低脂肪牛乳ですが、妊活の場合は脂肪分無調整の牛乳を選ぶことが重要です。
一緒に食べたい相性の良い食材
牛乳と相性の良い食材をご紹介します。相性の良い食材と一緒に摂って妊娠力をアップさせましょう!
きのこと一緒に食べてカルシウムの吸収率アップ!
きのこにはビタミンDが豊富に含まれており、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。
ビタミンDは卵子や精子の形成や着床など妊娠に深く関係している栄養素です。
ゴマで牛乳に少ないビタミンEを補給!
牛乳は栄養豊富ですがビタミンEの含有量は少ないため、ビタミンEが豊富に含まれているゴマと一緒に食べると栄養価のアップが期待できます。
ビタミンEは身体の老化を防止する抗酸化作用があり、卵子や精子の老化も予防することができます。
血行を促進する効果もあるため血流が良くなり、妊活の大敵である冷えも改善されます。
バナナで心身が安定する
バナナには精神面に大きな影響を与えると言われているセロトニンが豊富に含まれています。
セロトニンは心身の安定に必要であり、このセロトニンの効果を発揮するにはトリプトファンとビタミンB6の摂取が必要であり、牛乳にはその両方が含まれています。
バナナと牛乳を合わせると心身の安定に繋がり、妊活中に感じるストレスが緩和されます。
牛乳のおすすめレシピ
妊活におすすめの牛乳を使ったレシピをご紹介します。
しめじとくるみのミルクリゾット
◇材料(2人分)
- しめじ…1袋
- 玉ねぎ…1/4個
- くるみ…40g
- 炊いたご飯…200g
- 牛乳…100cc
- オリーブオイル…小さじ1
- コンソメ…小さじ1
- 塩コショウ…少々
◇作り方
- しめじはざく切り、玉ねぎは粗みじん切りにし、くるみは手で細かく砕いておく。
- フライパンにオリーブオイルを入れて玉ねぎがしんなりするまで炒め、しめじを入れてさらに炒める。
- 牛乳、コンソメを入れてご飯を加えて弱火で2~3分加熱し、水分が無くなってきたら塩コショウで味を整える。
1人分約380kcal。しめじに含まれているビタミンDがカルシウムの吸収率をアップし、くるみには抗酸化作用のある良質な油や、血行を促進する効果のあるビタミンEが豊富に含まれています。
ほうれん草のごまミルク味噌汁
◇材料(2人分)
- ほうれん草…1/2束
- 粉末和風だし…小さじ1
- 味噌…小さじ2
- 牛乳…200cc
- 水…100cc
- すりごま…大さじ1
◇作り方
- ほうれん草をざく切りにする。
- 鍋に水を沸かしてほうれん草を加熱し、粉末和風だしを加える。
- 牛乳を入れ、味噌を溶かす。
1人分115kcal。ほうれん草に含まれる葉酸はDNA合成や細胞分裂に大切な役割を果たしているため、妊活に欠かせない栄養素です。ごまのビタミンEによって血流が促進され、冷えの解消に繋がります。
バナナミルクプリン
◇材料(プリン型4~5個分)
- 完熟バナナ…3本
- 卵…3個
- 牛乳…300cc
◇作り方
- 材料を全てフードプロセッサーにかける。
- プリン型に流し入れ、予熱180℃のオーブンで焼く。
1個約170kcal。バナナと牛乳でリラックス効果が得られ、妊活中のストレスを軽減してくれます。
牛乳の保存方法
牛乳は消費期限が短いため、全部使い切れずに処分してしまった経験がある方も多いのではないでしょうか。
牛乳は実は冷凍保存ができます。
パックごと冷凍保存するのであれば、空いた口をしっかりと塞ぎ、フリーザーバックに入れて冷凍庫に入れます。
この際に牛乳は凍ると膨張するので牛乳は牛乳パックの7~8分目のなるようにしましょう。
少量ずつ使いたい場合は製氷皿に入れての冷凍保存が便利です。
まとめ
牛乳は良質なたんぱく質が含まれており、カルシウムやビタミンが豊富に含まれていて妊活中に効果的な食材です。
そのまま飲むこともでき、手軽に妊活に必要な栄養を摂取することができます。
料理にも使いやすいため、牛乳を使ったレシピを毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
執筆監修者:中道麻智子(管理栄養士)