アスパラガスはその90%が水分で構成されており、妊活中に大切な働きをするビタミン、ミネラル分などが豊富に含まれています。
今回は妊活におすすめの食材「アスパラガス」について解説します。
アスパラガスに含まれる栄養素や成分の解説をはじめ、相性の良い食材やアスパラガスを使ったレシピなどをご紹介します。
ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。
アスパラガスに含まれる栄養素
アスパラガスに含まれる栄養素で、妊活中に重要な働きをするものとしては、アスパラギン酸という機能性成分のほか、葉酸、ビタミンC、ビタミンAがあります。
ここではそれらの栄養素や成分の働きについて解説します。
疲労回復効果のあるアスパラギン酸
アスパラギン酸はアミノ酸の一種で名前の通り、アスパラガスから発見されました。
アスパラガスの穂先には特に沢山のアスパラギン酸が含まれています。
アスパラギン酸の主な働きとしては、利尿作用、疲労回復効果、美肌効果が挙げられます。
なかでも特記したいのが、疲労回復効果です。
アスパラギン酸はたんぱく質の合成を高めて、疲労回復や滋養強壮に効果的な働きをします。
心身の疲れはホルモンバランスの乱れにつながり、妊娠体質が遠のいてしまいます。
アスパラギン酸は体内で作ることができる成分ですが、加齢と共に体内で作れる量が減ってしまう為、妊活中の女性はもちろん、男性にもぜひ意識的に摂っていただきたい成分です。
妊活女性に必須な葉酸
葉酸はお腹の赤ちゃんの脳や神経を作るのに不可欠な栄養素で、厚生労働省も妊娠を希望する女性に積極的な摂取を勧めています。
おなかの赤ちゃんの脳は妊娠6週目(おおよそ妊娠1ヶ月半)には出来上がると言われます。
つまり、妊娠に気がついた頃には赤ちゃんの脳が出来上がっているのです。
その為、妊娠前の妊活中から積極的に葉酸を摂取する必要があるのです。
葉酸が不足すると赤ちゃんの脳の発育に悪影響を及ぼすことがあります。
アスパラガスには赤ちゃんの脳や神経をつくる葉酸が豊富に含まれているので、妊活中の女性におすすめの食材です。
また、葉酸は水溶性ビタミンです。一般的に水溶性ビタミンは熱に弱いという性質を持っていますが、アスパラガスに含まれる水溶性ビタミンは熱に強く、茹でても栄養素の損失はほとんどありません。
茹でることによる葉酸含有量の変化(食材100g当たり)
- ブロッコリー 生:210ug → 茹で:120ug
- アスパラガス 生:190ug → 茹で:180ug
卵子の老化を予防するビタミンC
ビタミンCは強い抗酸化作用を持っています。細胞は活性酸素によって酸化することで、老化や病気が引き起こされます。
ビタミンCは老化の原因である活性酸素から細胞を守る働きがあるので、卵子の老化も予防してくれます。
アスパラガスは卵子の老化防止に効果的なビタミンCを含んでいます。
アスパラガスのビタミンC含有量は特別多いということはありませんが、前述の通り、アスパラガスに含まれる水溶性ビタミンは熱に強いという性質をもっている為、加熱による損失がありません。
茹でることによるビタミンC含有量の変化(食材100g当たり)
- ブロッコリー 生:120mg → 茹で:54mg
- アスパラガス 生:15mg → 茹で:16mg.
子宮環境を整えてくれるビタミンA
ビタミンAには動物性食品に含まれるレチノールと、植物性食品に含まれ、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンがありますが、アスパラガスに含まれるビタミンAは後者のβ-カロテンです。
アスパラガスに含まれるビタミンAには粘膜や皮膚の状態を整え、細菌感染などから細胞を守ってくれる働きがあります。
妊活に関わる事として、ビタミンAは子宮環境を整えてくれます。
また、妊娠初期の胎児の成長に重要な働きをするので、赤ちゃんが欲しいと思ったら、ぜひとも摂っていただきたい栄養素です。
一緒に食べたい相性の良い食材
アスパラガスと一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。
疲労回復効果のある豚肉と一緒に食べよう
豚肉に豊富に含まれるたんぱく質とビタミンB1には、アスパラギン酸と同じく、疲労回復効果があります。
豚肉とアスパラガスのWパワーで疲労回復効果を高めましょう。
なお、アスパラギン酸は熱に弱いので、加熱のし過ぎに注意が必要です。
アスパラガスのおすすめレシピ
アスパラガスを使ったおすすめの妊活レシピを2つご紹介します。ぜひお試し下さい。
豚肉とアスパラガスのオイスターソース炒め
アスパラガスと相性の良い、豚肉を使ったレシピです。
オイスターソースが効いた味付けはご飯に良く合い、男性ウケする一品です。
アスパラガスに含まれるビタミンA(β-カロテン)は油で炒めることにより吸収率が高まります。
◇材料(2人分)
- 豚小間切れ肉…150g
- 調味料A(片栗粉大さじ1/2、酒小さじ1)
- アスパラガス…4本
- エリンギ…1/2パック
- しょうが(繊切り)…1かけ分
- 調味料B(はちみつ小さじ1、オイスターソース小さじ2、酒小さじ2、醤油小さじ1)
- 塩…少々
- ごま油…大さじ1
◇作り方
- 豚肉は食べやすい大きさに切り、ビニール袋に入れ、調味料Aを加えてもみ込む。
アスパラガスは根元の硬い皮をむき、厚さ1㎝の斜め切りにする。
エリンギはアスパラガスと同じ位の大きさに切る。 - フライパンにごま油大さじ1/2を熱し、エリンギとアスパラガスを炒める。
全体に油が回ったら、塩を振り、フライパンから取り出す。 - ②のフライパンにごま油大さじ1/2を熱し、しょうがを入れ、香りが立ったら、豚肉を加えて炒める。
豚肉に火が通ったら、先に炒めておいたエリンギとアスパラガスを加え、混ぜ合わせた調味料Bを加えて軽く炒め、完成。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 233kcal
- たんぱく質 16.8g
- 葉酸 94ug
- ビタミンC 7㎎
- ビタミンA(β-カロテン) 152ug
長芋とアスパラガスの梅おかか和え
長芋に含まれるぬめり成分には、アスパラガスに含まれるアスパラギン酸の吸収を助け、疲労に対する抵抗力を高めてくれる働きがあります。
また、練り梅(梅干し)にも疲労回復効果のあるクエン酸が含まれており、さらに梅干し特有の酸味は食欲を増進してくれるので、妊活中の疲労感を軽減してくれる効果が期待できます。
◇材料(2人分)
- 長芋…120g
- アスパラガス…4本
- 練り梅…15g
- かつお節…少々
◇作り方
- アスパラガスは根元の硬い皮をむき、4㎝位の長さに切り、2~3分茹でる。
- 長芋は皮をむき、アスパラガスと同じ位の大きさに切る。
- ボールにアスパラガスと長芋を入れ、練り梅とかつお節を和えて、完成。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 55kcal
- たんぱく質 2.5g
- 葉酸 81ug
- ビタミンC 10㎎
- ビタミンA(β-カロテン) 152ug
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アスパラガスの保存方法
冷蔵保存の場合
穂先を上にして、水を入れたコップに立てるか、湿らせた新聞紙に包み、ビニール袋に入れ、立てて冷蔵庫で保存します。
冷凍保存の場合
使いやすい大きさに切ってから、茹でて水気を拭き取り、ラップに包み、保存袋に入れ、冷凍庫で保存します。
アスパラガスで妊娠しやすい体づくりを
アスパラガスには、疲労回復効果のあるアスパラギン酸をはじめ、妊活女性に必須な葉酸、卵子の老化を予防するビタミンC、子宮環境を整えてくれるビタミンAなど、妊活中の方にぜひ積極的に摂っていただきたい栄養素や成分が豊富に含まれています。
バランスの良い食事を摂ることは、日々の疲労を回復させると同時に、健康維持、そして妊娠力アップにつながります。
妊活のおすすめ食材であるアスパラガスを日々の食事に取り入れて、妊娠しやすい体づくりをしましょう。
執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)