妊活をしていく上で、バランスの良い食生活はとても大切です。
桜えびには妊活中に必要な栄養素がたくさん含まれており、おすすめの食材です。
国内では唯一駿河湾沖でのみ水揚げされる桜えび。獲れる時期も限られ、さらに賞味期限は1日と短い為、生の桜えびを食べる機会はめったにありません。
桜えびは生食以外では素干しと釜揚げに加工されます。
素干しの桜えびはスーパーでいつでも購入できるので、お馴染みですね。
今回は桜えび(素干し)に含まれる栄養素の解説をはじめ、相性の良い食材や桜えびを使ったレシピなどをご紹介します。ぜひ妊活中の食事の参考にして下さい。
桜えびに含まれる栄養素
桜えびは高タンパク質・低糖質で、ビタミンやミネラル、その他、私たちが健康を維持していくために必要な栄養素や成分が豊富に含まれています。
ここでは、桜えびに含まれる栄養素・成分の中から妊活中、特に摂っていただきたい、カルシウム、葉酸、亜鉛、タウリン、アスタキサンチンについて解説します。
驚異的なカルシウム含有量
桜えびについて特筆すべきは、カルシウムの多さです。桜えびのカルシウム含有量は牛乳の6倍にもなります。
しかし、カルシウム含有量は多いものの、吸収率は30%と牛乳よりも劣ります(牛乳のカルシウム吸収率は50%)。
その為、カルシウムの吸収を促進するビタミンDやビタミンKなどの栄養素と組み合わせて摂取することが大切です。
カルシウムは骨や歯の材料となり、赤ちゃんの成長には欠かせない栄養素です。
お母さんのおなかの中にいる時は胎盤を通して、出産後は母乳からカルシウムをもらいます。
その為、赤ちゃんに十分なカルシウムをあげられるように、妊娠の準備期である妊活中からしっかりとカルシウムを摂っておく必要があります。
妊活に必須な葉酸と亜鉛
葉酸は胎児の脳や神経を作るのに不可欠な栄養素で、厚生労働省も妊娠を希望する女性に積極的な摂取を勧めています。
そして、亜鉛にはその葉酸の吸収を助けてくれる働きや皮膚を強くする働きがあります。
このように葉酸と亜鉛は赤ちゃんの成長を促す上で必須の栄養素です。
妊娠が分かった時にはすでに赤ちゃんの脳や神経は作られているので、妊活中からしっかり摂りたい栄養素です。
浮腫み予防に効果的なタウリン
タウリンはアミノ酸の一種で、人間の体では筋肉や心臓、脳や網膜に多く存在しています。
その中でも筋肉には体内のタウリン量の70%が存在しています。
タウリンには筋肉の収縮力を高めることで、浮腫みを改善する働きがあります。
体が浮腫んでいるということは、体内に余分な水分や老廃物が溜まっているということを示しています。
そのような状態では、子宮の機能低下も起こりやすくなります。
桜えびには浮腫み予防に効果的なタウリンが豊富に含まれています。
浮腫みを予防することで、子宮環境を整え、妊娠しやすい体づくりをしていきましょう。
アスタキサンチンの抗酸化パワー
アスタキサンチンは桜えびをはじめ、鮭やカニなどに多く含まれている、赤色の天然色素です。
アスタキサンチンは強い抗酸化力を持ち、その抗酸化力はビタミンCの6000倍にもなります。
アスタキサンチンの強い抗酸化力は卵子の老化予防になります。
酸化とは体がさびることを意味します。
加齢や日々のストレスにより、体内にはサビが溜まっていき、そのサビの蓄積が老化につながります。
当然のことながら、サビの蓄積は卵子にも起こります。
その卵子のサビを取り除いてくれる働きをするのがアスタキサンチンです。
一緒に食べたい相性の良い食材
桜えびには一緒に食べることで、より高い栄養効果もたらす食材があります。
ここでは桜えびと一緒に食べたい相性の良い食材をご紹介します。
卵
卵に含まれるビタミンDやビタミンKは、桜えびに豊富に含まれるカルシウムの吸収を促進する働きがあります。
また、卵は栄養価が高く、完全栄養食品とも呼ばれますが、食物繊維とビタミンCだけが含まれていません。
桜えびには食物繊維とビタミンCも含まれているので、桜えびと卵を一緒に食べることで、卵に含まれない栄養素を全て補うことができます。
桜えびのおすすめレシピ
スーパーで簡単に購入できる素干し桜えびを使ったレシピを2つご紹介します。どちらも桜えび独特の香ばしい風味が感じられるメニューです。ぜひお試し下さい。
ポン酢でいただく桜えびのお好み焼き
カルシウムが豊富に含まれている桜えび。
卵とチーズに含まれるビタミンDやビタミンKの働きによって、カルシウムの吸収が促進されます。
また、ポン酢で食べることで、ソース+マヨネーズで食べる場合に比べて、妊活中に気になる塩分やカロリーを抑えることができます。
◇材料(2枚分)
- お好み焼き粉…100g
- 水…120㏄
- 卵…1個
- キャベツ…250g
- 長ネギ…70g
- ピザ用チーズ…20g
- 桜えび…10g
- 油…大さじ1
- かつお節…適量
- ポン酢…適量
◇作り方
- キャベツは繊切り、長ネギは小口切りにしておく。
- ボールにお好み焼き粉と水を入れ、泡だて器で混ぜ合わせる。
- ②に卵、キャベツ、長ネギ、チーズ、桜えびを加え、混ぜ合わせる。
- フライパンに油を熱し、③の生地を焼き、片面がこんがりきつね色になったら、ひっくり返し、蓋をして蒸し焼きにし、中に火が通れば、完成。
かつお節をかけ、ポン酢でお召し上がり下さい。
◇栄養成分(1枚分)
- エネルギー 359kcal
- たんぱく質 15.8g
- カルシウム 276mg
- 葉酸 156ug
- 亜鉛 1.6mg
ブロッコリーの桜えびあんかけ
ブロッコリーには抗酸化力を高めるスルフォラファンという成分が含まれています。
桜えびとブロッコリーのWの抗酸化パワーで卵子の老化を予防しましょう。
また、ブロッコリーは妊活中に積極的に摂りたい葉酸が豊富です。さらに生姜が効いた桜えびあんは体を芯から温めてくれます。
◇材料(2人分)
- ブロッコリー・茹で…120g
- えのきだけ…40g
- 桜えび…5g
- ごま油…小さじ1
- 水…150㏄
- 白だし…大さじ1
- 生姜(チューブ)…4㎝
- 水溶き片栗粉…適量
◇作り方
- フライパンにフライパンを熱し、えのきだけ、桜えびの順に炒める。
- ①に水、白だし、生姜を加え、軽く煮たら、水溶き片栗粉を加えてとろみを付ける。
- お皿に茹でたブロッコリーを盛り、その上に②のあんをかけて、完成。
◇栄養成分(1人分)
- エネルギー 51kcal
- たんぱく質 4.7g
- カルシウム 73mg
- 葉酸 147ug
- 亜鉛 0.7mg
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桜えびの保存方法
開封後の桜えびはなるべく早めに使い切りましょう。開封後は通常の1.5~2倍の早さで菌が増えてしまいます。使い切れず保存する場合は密閉して、冷蔵庫または冷凍庫で保存しましょう。
妊活のおすすめ食材「桜えび」
殻ごと頭から尾までまるごと食べられる桜えび。
その美しい色合いから海の宝石とも称される食材です。
桜えびには骨や歯の材料となるカルシウムや、胎児の成長に必須な葉酸や亜鉛、浮腫み予防に効果的なタウリン、そして、強い抗酸化パワーと持つアスタキサンチンなど、妊活中に積極的に摂りたい栄養素や成分が豊富に含まれており、まさに栄養の宝庫です。
妊娠しやすい体づくりの為に、日々の食事に桜えびを取り入れてみてはいかがでしょうか。
執筆監修者:犬飼絵里子(管理栄養士)